タイムラインで引っかかった一言(導入)
「ソフトバンク(9984)が上がらない。SNSで、4000円以下は買い、とたくさん流れてたから、それ見た個人が買って、信用買い残だけ爆上がりってやつじゃないの? 個人の投稿なんて見て買ってると、さらなる下げに巻き込まれるぞ。そもそも今日は、デイトレしかいないだろ。」
……これ、言い方は荒いのに、妙に刺さる。
刺さるのは「上がらない」そのものじゃなくて、後半に混ざってる“匂い”だ。
- それ、会社の話じゃなくて買い手の話では?
- それ、評価が変わったんじゃなくて、短期が増えただけでは?
こういうときって、頭の中が一瞬で二手に割れる。
「会社が悪い」ルートと、「市場の見方が動いてない」ルート。
たぶん今日は、その分岐点を自分の言葉で整理したい。

今日整理したいこと(結論の置き場所)
株価の理由って、つい「会社が良くなった・悪くなった」で説明したくなる。
でも実際は、同じ会社でも「見方」が変わると、値段の付け方(PER=倍率)が変わる。
逆に言えば、SNSで買い手が増えただけの局面は、見方が変わったわけじゃなく、短期の需給で揺れてるだけかもしれない。
だからこの記事では、ソフトバンク(9984)の「上がらない」を材料にして、
“会社の変化”と“市場の見方(倍率)の変化”を切り分けるところまでをやる。
「4000円以下は買い」が広がると、何が起きるか
SNSの合唱は、空気を軽くする。
「みんな言ってる」が、判断の足場になる気がする。
でも、その足場って地面じゃなくて“群衆の肩”だったりする。
肩が増えると、確かに価格は持ち上がりやすい。
ただし、肩の正体が“信用”だと、急に脆くなる。
信用って、便利な反面、「期限」と「投げる可能性」を抱えた買い方でもある。
買いが増えた理由が「会社が良くなった」じゃなく「SNSで回った」なら、同じ速度で反転もしやすい。
……ここ、少し嫌な言い方になるけど。
相場は優しくない。
“理由の弱い買い”が増えた瞬間、理由の強い売りが入りやすくなる。

“会社が変わった”と“市場の見方が変わった”は別物
「上がらない」と聞くと、すぐ会社のせいにしたくなる。
決算が微妙だったのか、先行きが不安なのか、何か悪材料があるのか。
でも、株価って会社の成績表だけで動くわけじゃない。
見方が変わると、同じ中身でも値札が変わる。
- 「この会社はこういう会社だよね」というラベルが変わる
- 「このテーマに乗ってる」と見なされる
- 「金利や地合い」で許される倍率の幅が変わる
- 「誰が買ってるか」で“値段の付け方”が変わる
ここで重要なのは、倍率が動くとき、事実より“見方”が先に動くことがあるってこと。
だから、上がらない日も必ずしも「会社が悪い」じゃない。
逆に、上がった日も必ずしも「会社が良い」じゃない。
SNSの「買い」は、その“見方”を作る材料になり得る。
ただ、材料にするなら料理の腕が要る。
丸呑みすると、相場の都合のいい餌になる。
信用買いが増えると、相場は“短期の顔”になりやすい
「今日はデイトレしかいないだろ」って言葉、雑だけど。
あれ、感覚としてはけっこう当たる日がある。
短期の顔って、こんな感じ。
- 値動きが荒くなる
- 押し目が“押し目”で終わらず、そのまま落ちる
- 上がる理由より、下がるきっかけのほうが先に価格に反映される
それは会社の中身の話じゃなく、相場の足場の話だ。
土台が信用だと、揺れたときに踏ん張る人が減る。
踏ん張る人が減ると、下げが下げを呼ぶ。
もちろん、信用買いが増えた=即ダメ、ではない。
ただ、あたしはここで自分に釘を刺す。
“信用が増えた局面”は、相場が短期化してる前提で眺める。
中長期の正しさと、短期の値動きは、平気で喧嘩するから。

あたしの自分ルール:SNSの合唱は「材料」じゃなく「警報」扱い
ここ、今日は自分のために言語化しておく。
- SNSで「○○円以下は買い」が回り始めたら、まず“買い理由”を疑う
- その理由が「事業の変化」じゃなく「みんなが言ってる」なら、距離を取る
- “上がらない”を会社のせいにする前に、「買い手の質」を見る
- 自分の頭の中のセリフが「置いてかれたくない」になったら、一回止まる
相場で一番危ないのって、情報不足より、感情のショートだと思う。
“置いてかれたくない”は、脳内で最も根拠っぽい声を作る。
だから、根拠っぽい声が出たら、いったん疑う。
じゃあ「市場の見方が変わる」って、何を見ればいい?
市場の見方が変わるって、「みんなが好きになった」みたいな曖昧さで終わらせると、次に使えない。
だから、あたしは“見方が変わる条件”を、できるだけ手触りのある形にしておきたい。
たとえば、こんなもの。
- ラベルが変わる(投資会社/通信会社/AIの物語、みたいに「何屋か」が更新される)
- テーマが変わる(追い風の説明が立つ、流れが生まれる)
- 地合いが変わる(金利やリスク選好で「許される倍率」が広がる)
- 買い手が変わる(短期→長期、個人→機関、みたいに“値段の付け方”が変わる)
「上がらない」という愚痴の形で始まった話でも、
最終的には「何が変われば見方が変わるのか?」に置き換える。
その置き換えができたとき、SNSの声は“ノイズ”から“観測対象”に変わる。
……たぶん、ここがあたしの“投資の呼吸”なんだと思う。
それでも最後に確認したい:いま自分が見ているのは“会社”か“相場”か
ここまで書いて、ちょっと自分に嫌味を言いたくなる。
結局、見たいのは「当たった自分」だったりするから。
- 会社を見ているつもりで、実は“値動きの空気”を見ていないか
- 相場を見ているつもりで、実は“自分の不安”を見ていないか
だから最後に、確認を一つだけ。
いまの自分は、会社の変化を根拠にしたいのか。 それとも、買い手の増減に巻き込まれているだけなのか。
ここを取り違えると、SNSの言い切りに引っ張られやすくなる。
締めの一行
“会社”を見てるつもりで、“買い手”に振り回されてないか──まずそこを疑う。
参考リンク(確認用)
- Yahoo!ファイナンス:9984 株価時系列(過去データ)
https://finance.yahoo.co.jp/quote/9984.T/history - IRBank:9984 信用取引(買い残/売り残)推移
https://irbank.net/9984/zandaka - SoftBank Group IR:Share Repurchase(株主還元の全体像)
https://group.softbank/en/ir/stock/repurchase

