「低PER=割安」に逃げる自分を逮捕する:ソフトバンク(9984)で学ぶバリュートラップ(NTT比較)

市場心理の正体

株を見ていて、ふと安心したくなる瞬間がある。
値動きが怖い日ほど、こう思う。

「……PER低い。割安っぽい。これなら負けにくい、かも。」

でも、その“ほっとする感じ”って、だいたい危ない。
安心のフリをした罠が多いから。

今日の一文(または式)

「低PERは割安じゃなく、“理由付きの値札”かもしれない」


低PER・割安の罠:バリュートラップを9984で疑う(失敗パターン)

自問①:その低PERの“理由”を一文で言える?(言えないなら危ない)

「PERが低い」って、言い換えるとこう。

“利益に対して株価が安く見える”

でも大事なのは「見える」だけじゃなくて、
“なぜ安いのか”なんだよね。

1文で言えないなら、黄色信号。
たとえば、こんな1文が言えるか?

  • 「利益が続かなそうだから疑われてる」
  • 「競争がきつくて利益率が落ちそう」
  • 「説明が弱くて市場が信用してない」
  • 「会計上の利益が実態とズレて見える」

要点①:低PERは“安い”より“疑われている”サインのことが多い

高校生の感覚でいうと、これに近い。

「テストでいつも70点の人が、たまたま1回だけ95点取った」
→ 次も95点だと思う? ちょっと疑うよね。

株の利益も似てて、
「その利益、続く?」が疑われると、PERは低く見えたりする。

例え話(副業版):安い中古ノートPCは“理由が分からないと怖い”

副業で、動画編集やブログを始めたいとする。
新品は高いから、安い中古ノートPCが目に入る。

でも「安い!」で買うと、痛い目を見ることがある。

  • バッテリー死にかけ
  • ファンが壊れて熱で落ちる
  • そもそもスペック不足で作業が進まない
  • 修理代で結局高くつく

安さには理由がある。
理由が分からない安さは、怖さに変わる。

低PERも同じ。

9984(ソフトバンク)は“PERだけ”で割安判断しやすい危険地帯

ここで、ソフトバンク(9984)。

9984は、ビジネスの中に投資が大きく混ざるタイプ。
だから利益の出方が、わりと“景色が変わりやすい”。

高校生向けに超ざっくり言うと、

  • ある年は「儲かった!」に見える
  • 別の年は「減った…」に見える
  • それが事業の強さだけで決まらないこともある

結果、PERが低く見えたり、逆に高く見えたり
“数字の顔つき”が変わりやすい。

ここが、低PERに逃げる自分を逮捕できるポイント。

「PERが低い=割安」って言いたくなったら、まず“理由”を書け。
書けないなら、ただ安心したいだけ。

対比:NTT(9432)は“利益の見え方”が比較的素直で比較しやすい

NTT(9432)みたいな銘柄は、9984に比べると

  • 収益のイメージが生活に近い(利用料の積み上げを想像しやすい)
  • 利益の見え方が比較的ブレにくい(少なくとも“投資評価の色”は薄い)

だから高校生にはこう説明できる。

  • NTT:成績表の数字が読みやすいタイプ
  • 9984:成績表に“特別科目(投資)”が混ざって読み取りが難しいタイプ

読み取りが難しいタイプほど、
「低PERだし割安っぽい」で飛びつくと危ない。


実務テンプレ:バリュートラップ回避の条件(反転・時間切れ・機関投資家)

自問②:もし自分が機関投資家なら、この株を買うのが怖い理由は何?

ここで一段、視点を変える。

「自分がデカいお金を預かってるプロだったら、何が怖い?」

高校生の部活で言えば、
「監督だったら、どこが不安でレギュラーにしない?」みたいな視点。

怖い理由の典型はこれ。

  • 需要が減る(そもそも市場が縮む)
  • 競争が激化する(値下げで利益が削れる)
  • 利益率が落ちる(売上はあっても儲からない)
  • 資本政策が微妙(株主の取り分が増えにくい/分かりにくい)
  • 説明不足(市場が納得できず、疑いが晴れない)

要点②:買う前に「疑われポイント」「反転条件」「時間切れ条件」を3点セットで書く

ここがC04の実務。
低PERに惹かれたら、これを先に書く。

1) 疑われポイント(なぜ安い?)

例(書き方の型):

  • 「市場は○○を疑っている」

2) 反転条件(何が起きたら疑いが晴れる?)

例:

  • 「○○が確認できたら、疑いが薄れる」

3) 時間切れ条件(いつまでに起きなければ撤退?)

例:

  • 「○年以内に○○が出なければ、いったん降りる」

9984みたいに“数字の顔つき”が変わりやすい銘柄ほど、
この3点セットが効く。

自分ルール(1つ)

低PER銘柄は「疑われ理由が消える条件」を書けない限り買わない(書けたら少額で検証)

ここでのポイントは「少額で検証」。
いきなり大金で勝負しない。副業の道具を買う時も同じで、
いきなり高額セットを買うより、まず小さく試す方が事故りにくい。


締めの一行

「割安に逃げたくなったら、まず自分を疑う」

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